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投稿者:ayba

AKB48グループから学ぶファンの作り方


10年以上前のことと思いますが…

秋元康氏の著書を読みました。

(本の題名はすっかり忘れています.笑)

その本の中に

「僕(←秋元氏)はイメージとして
いつもリックサックを背負っています。

街を歩いていても、
人と話していても、
色々な発見や気づきがあります。

その都度、発見や気づきを
カードに書いて
リックサック内に放り投げています。
そして一旦忘れます。

そして何か新しい企画を考えたり、
歌詞を書いたりする時は、
リックサックから複数のカードを取り出し
結合させたり、そこから新しい概念を
導き出したりして、創り上げます。」

という内容の記述があったように
記憶しています。

(おぼろげな記憶なので
細部は違うと思いますが…)


この文章を読んだ時、

僕は、
「秋元康さんはすごいなー」
と素直に思いました。

と同時に
クリエイティブな人の頭の中を
少しだけ垣間見た気がしました。


美空ひばりさんの
「川の流れのように」は
秋元康氏が作詞されています。

秀逸な歌詞だと思います。

あの歌詞も
リックサック内のカードで
出来た言葉の集合体だと思うと
「やっぱり秋元さんはすごいなー」
と感心しきりせざるを得ません。


AKBグループを創ったのも
秋元康氏ですが、
そのファンの作り方・グループの運営方法
でも学ぶべきものがありそうです。

推測交じりではありますが、
いくつか僕が思ったことを記述します。

(1)コンセプト
AKBは
「会いに行けるアイドル」
というコンセプトで、
秋葉原の劇場を中心に活躍
し始めたようです。

劇場は、
客席とステージが近く、
一体感が醸成されるよう
工夫されているのだと思います。

(とはいえ、変な事件・事故が
起きないように、十分な対応は
なされているものと思います)

(2)キャラクター
昔ながらの画一的なアイドルを
目指している訳ではなく、

「みんな違ってそれで良い」
を前提とし、それぞれのメンバーは
キャラクター付けすることを
容認されているように思います。

「個性の発揮」を認める
組織文化が根底にあるのかな~
と感じます。

(3)総選挙
年に1度、AKBグループの総選挙
が行われています。
毎年、悲喜こもごものドラマが
あるようです。

順位を付けられてしまうメンバーは
大変だとは思いますが、
競争による緊張感を保つよう
工夫している組織であるとも
言えます。

ちなみに投票するのはファンの方々で、
投票権は大きく分けて7種類あるようです。

<投票権>
1.CDについている投票権
2.各グループのモバイル会員
3.各グループのモバイルメール月額会員
4.二本柱の会(ファンクラブ)会員
5.各グループのDMM LIVE!!ON DEMAND月額会員
6.AKB OFFICIAL NET会員
7.当日のコンサート入場券

<歴代の1位>
2009年 前田敦子さん    4,630票
2010年 大島優子さん   31,448票
2011年 前田敦子さん  139,892票
2012年 大島裕子さん  108,837票
2013年 指原莉乃さん  150,570票
2014年 渡辺麻友さん  159,854票
2015年 指原莉乃さん  194,049票
2016年 指原莉乃さん  243,011票
2017年 指原莉乃さん  246,376票
2018年 松井珠理奈さん 194,453票

という結果です。

今年を除くと
投票数は右肩上がりです。

(4)握手会
AKBグループでは
TVに出たり、写真集を出したりと
いったマスを対象とした活動以外に、
一人一人のファンと握手し、
少ない時間ながらも会話する
「握手会」を定期的に
開いているようです。

(リスクは伴うのかも知れませんが)
とても、とても重要
かつ地道な活動だと感じます。

「個別対応」が
ワン・ツゥ・ワンマーケティングの
根本的な考え方だと理解していますが、
AKBの「握手会」も同じような
考えの元に行われている気がします。

(5)卒業
AKBの在籍期間が
ある程度の長さになってくると
卒業される人が多いように思います。

卒業のタイミングは
本人が希望し、
周囲の人と相談して決めるものと
推察します。

その卒業というイベントは
結果としてAKBグループ内の
新陳代謝を促し、
ファンを飽きさせないように
していることは否定できない
ようです。

企業活動で考えると、
製品・商品のラインナップを
一部変更してみたり、
商業であれば店舗レイアウトを
変更(店舗活性化)するなどし、
これまでとは違った価値を
提案するのと同じ効果が
期待できるように思います。

また、次のスターを発掘し育てる
インキュベーション
(抱卵・培養・保育)機能の一端を、
卒業というイベントは
有しているように思います。

(6)研修生
まだTV等の表舞台に立てない
AKBグループに加入して間がない
人たちを「研修生」と呼ぶようです。

劇場でお気に入りの「研修生」を
見出したファンは、その研修生のために
応援し続けるものと思います。
そして、応援している研修生が
総選挙などで上位に来ると
本人とともに喜ぶのではないでしょうか。

これは、たまごっち等育成ゲームにも
共通する心理と推察します。

(7)全国展開
「会いに行けるアイドル」
と謳っていたものの、
当初は東京・秋葉原の劇場でないと
彼女たちに会えませんでした。
これでは地方の方はなかなか
会えませんね。

しかし、今では
「名古屋市・栄」「大阪市・難波」
「福岡市・博多」「新潟」「瀬戸内」
でも展開しているようです。

野球やサッカー等スポーツも
地域振興に一役買っている面が
あろうかと思いますが、
AKBグループも
同様の面があるようです。

地方に進出することは、
ファンにしてみれば
身近に感じる機会が
増えることに繋がりますし、
彼女達にとっては
活躍の場が広がるので、
ウィン・ウィンの関係だと思います。

(8)世界展開
AKBグループは、
インドネシア、タイ、台湾、フィリピン、
中国、インド、ベトナムにも進出しています。
(一部の国はこれから進出するようですが…)

マンガや音楽など日本の文化が
海外に輸出されて久しいですが、
彼女たちもその一翼を担っている
のですね。

国内に目を転じると、
今後、人口減少は不可避です。
製造業・商業・サービス業問わず
海外展開も選択肢の一つとして
持っておいた方が良いと思います。


AKBグループを見ていると

・自由と競争(緊張)とのバランス

・ファン心理を突いた販売促進の方法

・飽きさせないためのイベント

・国内、海外の線的、面的展開

等いろいろ考えさせられます。

我々のビジネスにも
大いに参考になるかと思います。

投稿者:ayba

中小企業の課題となる3つのキーワード

2018年念頭にあたり、私共青山ビジネスアソシエイツ株式会社のメンバーは、 続きを読む

投稿者:ayba

インターネット販売を成功させる3つの勘所

縮小する日本に残ったフロンティア

「新製品を開発したが、販路の開拓方法が分からない」、といった相談をよく受けます。<–more–>製造業が下請けから脱却するため、長年培ってきた技術力を活かし、他に無い新製品を開発した。製造業のノウハウで、開発までは順調に実現した。しかし、下請け企業であるため、社内に営業体制が無い。製造業の中小企業が直面しがちな問題です。また、製造業以外の業種でも、似たような企業は多くあります。

筆者はそのような企業に対し、中長期的には、社内の営業体制構築を勧めます。例えば、販路開拓の専門家を招いてのハンズオン支援や、展示会出展の支援などを提案します。
しかし、冒頭のような企業は、明日からの売り先に困っているので、短期的に効果がある対策も必要となります。そのような場合に有効なのが、インターネット販売です。

インターネット販売は、サービス提供企業間の競争が激しいため、競い合って機能を充実させています。そのため、初心者でも簡単に、そして安価に導入できます。
また、国内の電子商取引市場は、2016年は約15兆円と、前年比5.43%増の成長を続けています。少子高齢化と人口減少により、様々な市場が縮小している日本に残った、数少ないフロンティアであると言えます。

インターネット販売成功の勘所

しかし、インターネット販売を導入した企業の全てが儲かっているわけではありません。筆者の知る企業には、売上が大幅に拡大したにもかかわらず、営業利益は横ばい、といったところもあります。一方で、インターネット販売が売上の半分近くに成長し、利益も大きくアップしている企業もあります。
なぜ、そのような違いが生まれるのでしょうか

筆者の経験から、インターネット販売を成功させる3つの勘所について、お話しします。

その1 ターゲット顧客を深く理解する
インターネットで販売する商品・サービスの種類にもよりますが、生活に密着したものは、競合する企業がひしめきあっています。商品・サービス自体での差別化が難しい場合は、価格を下げてでも売り上げを伸ばしたい誘惑に駆られます。これが、インターネット販売失敗の入り口になるのです。
しかし、マーケティングの基本である、「誰に、何を、どのように」の「誰に」を深掘りしたらどうなるでしょう?自社が売りたい顧客層のイメージが具体化し、その顧客が求めている「価値」が想像できるはずです。

自社がインターネットで販売するのは、単なる商品・サービスではなく、ターゲット顧客が求めている「価値」なのです。これを基準として、付加サービスを考え、価格を設定し、サイトで情報を発信するのです。
この取り組みができれば、競合がひしめく商品・サービスであっても、インターネット販売で勝ち残れる可能性が高まります。

その2 検索上位よりも高評価を狙う
インターネット販売サイトを立ち上げただけでは、売り上げは伸びないので、お客さんが訪問してくれる、何らかの手を打つ必要があります。その代表的なものが、SEO対策とリスティング広告です。しかし、そこから来るお客さんは一見客で、御社の良さを分かって来てくれているのではありません。

では、御社の良さを知った上で来てくれる、新規のお客さんを増やすには、どうしたらよいのでしょうか?それが、高評価を狙う取り組みです。
楽天やアマゾンなどのECモールでは、検索した商品・サービスを、評価の高い順に並び変える機能があります。第1の勘所であげた、顧客が求めている「価値」を提供できていれば、評価も自然と高まり、結果としてECモールでの検索上位を実現できるのです。

もちろん、黙々と顧客が求めている「価値」を提供続けているだけでは、ダメです。購入者に評価の回答を働きかける仕組みも必要です。

その3 欠品と過剰在庫に注意する
インターネット販売参入当初は、実店舗の在庫をネットからの注文に充て、出荷している企業が多く見られます。その場合、実店舗での在庫変動をネットの在庫に反映させる、ルールの徹底が不可欠です。
なぜならば、インターネット販売は24時間稼働していて、カードで即時決済する利用書が大多数であるからです。この時、ネットで販売した商品が、実店舗で品切れとなっていたら、どうなるでしょうか?顧客の評価が下がり、ECモール運営企業からペナルティを課せられる可能性もあります。

一方で、欠品を防ぐために、在庫を厚めに持つことも避けるべきです。「欠品防止」だけを目標にすると、現場の従業員は在庫を多めに持とうとする傾向があります。「クレーム防止」と「利益の最大化」のように、目的をブレイクダウンした上での、スタッフの教育も必要となります。

競合ひしめく中での成功例

以上、中小企業がインターネット販売で、売上と利益を共に拡大するための勘所についてお話ししました。
最後に、地方企業がインターネット販売で成功した例を紹介します。それは、徳島県の「フラワーマーケット花由」です。

この会社は、楽天市場のフラワージャンルで、
「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」
を4年連続受賞していますが、販売してい
る花束やブーケといった商品は、他企業
と比べて大きな違いはありません。
この会社が成功している要因は、「ターゲ
ット顧客を深く理解」し、その顧客が求め
ている「価値」を持った商品・サービスを
提供することで、高いレビュー評価を獲得
していることなのです。

みなさんもぜひ、ターゲット顧客の再考から始めて、顧客が求めている価値を、インターネットを介して提供してください。インターネット販売も実店舗と同じで、顧客を深く知ることが、商売の成功につながるはずです。

投稿者:ayba

ドローンビジネスは儲かるか!?

ドロービジネスの市場規模

「ドローン(drone)」と聞くと一般の方の記憶では、2015年に首相官邸に落下した事件や少年が御開帳行事中の善光寺で落下事故を起こした等あまりいいイメージもなく、個人的にはラジコンの延長レベルでオタクの趣味的なイメージのように思えます。ところがいまこのドローンビジネス市場が大変活況を示す状況にあるようです。 続きを読む

投稿者:ayba

うんこ漢字どりる、に思う常識に対抗すること


うんこ漢字ドリルというものが爆発的ヒットらしいです。
発売後、約2か月で148万部も売れているとのこと。

 
中身は漢字ドリルのようですが、
例文すべてに「うんこ」という文言が入っています。

ネットで公式ページを見てみると例文が見つかりました。

 
<小学校1年生の例文>

・田んぼのど真ん中でうんこをひろった

・田植えをしながらうんこをもらすおじいさん

・水田にうんこを投げ入れる

 
<小学校2年生の例文>

・刀の先っぽにうんこをつけてたたかう男

・名刀でうんこを真っ二つに切りさいた

・木刀かと思ったらうんこだった

 
<小学校3年生の例文>

・うんことかぶと虫を対決させています

・相撲の対戦相手がまわしにうんこを付けている

・このうんこから絶対に目を離さないでください

 
<小学4年生の例文>

・ナウマン像のうんこを見に博物館に行ってきた

・世界平和のためには博愛の心とうんこが大切だ

・ドイツの工学博士がうんこと話せる機械を発明した

 
<小学5年生の例文>

・こちらが国宝の版画「富士とうんことつる」です

・原始人のうんこを図版で見たことがある

・うんこファンにはたまらない本が出版された

 
<小学6年生の例文>

・私がうんこ担当の「運子田(うんこだ)」と申します

・みんなで少しずつ分担してうんこを持ち帰ろう

・うんこパーティーの費用が父が負担してくれた
というものです。

 
「そんな奴いねーよ」などと突っ込みたくなりますが、
興味を引くとてもいい例文だと関心しました。

小学生(特にダンシ)の心をわしづかみだと思います。
もうすぐ50歳になろうという僕の心も
わしづかみにされています(笑)

 

漢字ドリルはどこの出版社のドリルでも大差ないでしょう。
少子化なので発売したとしても部数は望めない。

「どう差別化し売っていくか」と出版社の方は
悩んできたのだろうと思います。

 

迷った時は、想定顧客を観察する。
または想定顧客に直接話を聞いてみる、
ことが有効だと思います。

しかし、例え「うんこ」という言葉を小学生が発し
キャッキャキャッキャ喜んでいる、
ということが分かったとしても、
漢字ドリルに使おうという発想には
なかなかならないのでは…

 
多くの出版社では
編集会議に上げたとしても

「前例がない」

「常識外れ」

「教育上良くない」

「父兄からクレームが来る」

「我社の品位が落ちる」

と言われるのがおちだと思います。
販売までこぎつけた文響社さんはすごいと思います。

文具メーカーのキングジムさんとも何か通じるものが
あると感じるのは私だけでしょうか?

 

成熟仕切っておりなかなか他社と違うことが出来ない、
と思われる業界でも、
ちょっと視点を変えるだけで活路を見いだせるのかも
知れません。