インターネット販売を成功させる3つの勘所

投稿者:ayba

インターネット販売を成功させる3つの勘所

縮小する日本に残ったフロンティア

「新製品を開発したが、販路の開拓方法が分からない」、といった相談をよく受けます。<–more–>製造業が下請けから脱却するため、長年培ってきた技術力を活かし、他に無い新製品を開発した。製造業のノウハウで、開発までは順調に実現した。しかし、下請け企業であるため、社内に営業体制が無い。製造業の中小企業が直面しがちな問題です。また、製造業以外の業種でも、似たような企業は多くあります。

筆者はそのような企業に対し、中長期的には、社内の営業体制構築を勧めます。例えば、販路開拓の専門家を招いてのハンズオン支援や、展示会出展の支援などを提案します。
しかし、冒頭のような企業は、明日からの売り先に困っているので、短期的に効果がある対策も必要となります。そのような場合に有効なのが、インターネット販売です。

インターネット販売は、サービス提供企業間の競争が激しいため、競い合って機能を充実させています。そのため、初心者でも簡単に、そして安価に導入できます。
また、国内の電子商取引市場は、2016年は約15兆円と、前年比5.43%増の成長を続けています。少子高齢化と人口減少により、様々な市場が縮小している日本に残った、数少ないフロンティアであると言えます。

インターネット販売成功の勘所

しかし、インターネット販売を導入した企業の全てが儲かっているわけではありません。筆者の知る企業には、売上が大幅に拡大したにもかかわらず、営業利益は横ばい、といったところもあります。一方で、インターネット販売が売上の半分近くに成長し、利益も大きくアップしている企業もあります。
なぜ、そのような違いが生まれるのでしょうか

筆者の経験から、インターネット販売を成功させる3つの勘所について、お話しします。

その1 ターゲット顧客を深く理解する
インターネットで販売する商品・サービスの種類にもよりますが、生活に密着したものは、競合する企業がひしめきあっています。商品・サービス自体での差別化が難しい場合は、価格を下げてでも売り上げを伸ばしたい誘惑に駆られます。これが、インターネット販売失敗の入り口になるのです。
しかし、マーケティングの基本である、「誰に、何を、どのように」の「誰に」を深掘りしたらどうなるでしょう?自社が売りたい顧客層のイメージが具体化し、その顧客が求めている「価値」が想像できるはずです。

自社がインターネットで販売するのは、単なる商品・サービスではなく、ターゲット顧客が求めている「価値」なのです。これを基準として、付加サービスを考え、価格を設定し、サイトで情報を発信するのです。
この取り組みができれば、競合がひしめく商品・サービスであっても、インターネット販売で勝ち残れる可能性が高まります。

その2 検索上位よりも高評価を狙う
インターネット販売サイトを立ち上げただけでは、売り上げは伸びないので、お客さんが訪問してくれる、何らかの手を打つ必要があります。その代表的なものが、SEO対策とリスティング広告です。しかし、そこから来るお客さんは一見客で、御社の良さを分かって来てくれているのではありません。

では、御社の良さを知った上で来てくれる、新規のお客さんを増やすには、どうしたらよいのでしょうか?それが、高評価を狙う取り組みです。
楽天やアマゾンなどのECモールでは、検索した商品・サービスを、評価の高い順に並び変える機能があります。第1の勘所であげた、顧客が求めている「価値」を提供できていれば、評価も自然と高まり、結果としてECモールでの検索上位を実現できるのです。

もちろん、黙々と顧客が求めている「価値」を提供続けているだけでは、ダメです。購入者に評価の回答を働きかける仕組みも必要です。

その3 欠品と過剰在庫に注意する
インターネット販売参入当初は、実店舗の在庫をネットからの注文に充て、出荷している企業が多く見られます。その場合、実店舗での在庫変動をネットの在庫に反映させる、ルールの徹底が不可欠です。
なぜならば、インターネット販売は24時間稼働していて、カードで即時決済する利用書が大多数であるからです。この時、ネットで販売した商品が、実店舗で品切れとなっていたら、どうなるでしょうか?顧客の評価が下がり、ECモール運営企業からペナルティを課せられる可能性もあります。

一方で、欠品を防ぐために、在庫を厚めに持つことも避けるべきです。「欠品防止」だけを目標にすると、現場の従業員は在庫を多めに持とうとする傾向があります。「クレーム防止」と「利益の最大化」のように、目的をブレイクダウンした上での、スタッフの教育も必要となります。

競合ひしめく中での成功例

以上、中小企業がインターネット販売で、売上と利益を共に拡大するための勘所についてお話ししました。
最後に、地方企業がインターネット販売で成功した例を紹介します。それは、徳島県の「フラワーマーケット花由」です。

この会社は、楽天市場のフラワージャンルで、
「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」
を4年連続受賞していますが、販売してい
る花束やブーケといった商品は、他企業
と比べて大きな違いはありません。
この会社が成功している要因は、「ターゲ
ット顧客を深く理解」し、その顧客が求め
ている「価値」を持った商品・サービスを
提供することで、高いレビュー評価を獲得
していることなのです。

みなさんもぜひ、ターゲット顧客の再考から始めて、顧客が求めている価値を、インターネットを介して提供してください。インターネット販売も実店舗と同じで、顧客を深く知ることが、商売の成功につながるはずです。

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